投資の会話や決算チェックをしていると、「この用語、意味は分かる気がするけど説明はできないな」というものが結構出てきます。この記事は、そんな用語を後から見返せるように、初心者・中級者・上級者のレベル別に整理した備忘録です。
レベルの目安
- ★初心者:株を始めたら最初に出会う、意味を知らないと会話についていけない用語
- ★★中級者:決算やチャートを自分で見るようになったら必要になる用語
- ★★★上級者:個別株のテーマ分析や、やや踏み込んだ投資判断で使う用語
1. 株価指標(企業の割安・割高を見る)
| 用語 | レベル | 意味 | 目安・補足 |
|---|---|---|---|
| PER(株価収益率) | ★初心者 | 株価が利益の何倍まで買われているか | 低いほど割安傾向。業種で標準値は大きく異なる |
| PBR(株価純資産倍率) | ★初心者 | 純資産に対して株価が何倍か | 1倍以下は割安と言われることも。業種によって水準は異なる |
| ROE(自己資本利益率) | ★★中級者 | 自己資本に対してどれだけ利益を生んでいるか | 10%以上あると優秀な企業が多い |
| EPS(1株当たり利益) | ★★中級者 | 純利益を発行株数で割ったもの | 増え続けている企業は成長力が強い |
| BPS(1株当たり純資産) | ★★中級者 | 純資産を発行株数で割ったもの | PBR計算の元になる数値 |
| 時価総額 | ★初心者 | 株価×発行済株式数=その企業の市場での価値 | 企業規模の比較によく使う |
| 自己資本比率 | ★★中級者 | 総資産に占める自己資本(返さなくていいお金)の割合 | 高いほど財務的に安定 |
| フリーキャッシュフロー(FCF) | ★★★上級者 | 事業で稼いだお金から設備投資などを引いた「自由に使えるお金」 | 配当や自社株買いの原資になる |
| ROA(総資産利益率) | ★★★上級者 | 総資産に対してどれだけ利益を生んでいるか | ROEとセットで財務効率を見る指標 |
2. 配当関連
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 配当利回り | ★初心者 | 配当金÷株価。株価に対してどれだけ配当がもらえるか |
| 配当性向 | ★★中級者 | 利益のうち何%を配当に回しているか |
| 増配 | ★初心者 | 配当を増やすこと |
| 減配 | ★初心者 | 配当を減らすこと |
| 累進配当 | ★★中級者 | 配当を減らさない(維持か増配のみ)という会社の方針 |
| DOE(純資産配当率) | ★★★上級者 | 純資産(自己資本)を基準に配当額を決める考え方。利益がぶれても配当が安定しやすい |
| 高配当株 | ★初心者 | 配当利回りが市場平均より高い銘柄群のこと |
| 特別配当 | ★★中級者 | 通常の配当に加えて、業績好調時などに一時的に上乗せされる配当 |
| 株主優待 | ★初心者 | 配当とは別に、自社製品や割引券などを株主に還元する日本独自の制度 |
NTTを長期保有する話で、この辺りをよく見ていた分野です。
補足:PER・PBRは「業種の平均」と比べて見るのが基本
PERやPBRには「これより低ければ絶対割安」という絶対的な基準はなく、業種ごとに平均水準がかなり違います。
- 成長期待の高い業種(AI・半導体・IT・バイオなど):将来の利益成長を織り込んで買われるため、PERは30〜50倍以上になることも珍しくない
- 成熟した安定業種(銀行・鉄鋼・電力・造船など):成長余地が小さいと見られやすく、PER10〜15倍程度が平均的なことが多い
- PBRも同様で、資産をあまり必要としないIT系は数倍〜数十倍になる一方、装置産業(造船・鉄鋼など)は1倍前後〜以下も珍しくない
そのため実際に見るときは、
- その企業単体の数値だけで判断しない
- 同業他社・業界平均と比べて高いか低いかをチェックする
- 過去のその企業自身のPER・PBRの推移とも比較する
という3つの視点で見ると、「本当に割安なのか、それとも成長期待で妥当に買われているのか」の判断がしやすくなります。防衛・ドローン・半導体のような成長テーマ株は、PERだけ見ると割高に見えても、成長率とセットで見ると妥当ということがよくあります。
3. チャート用語
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 移動平均線 | ★初心者 | 一定期間の株価の平均を線で表したもの |
| 25日線 | ★初心者 | 短期トレンドを見る移動平均線 |
| 75日線 | ★★中級者 | 中期トレンドを見る移動平均線 |
| 200日線 | ★★中級者 | 長期トレンドを見る移動平均線 |
| ゴールデンクロス | ★★中級者 | 短期線(25日線)が長期線(75日線)を下から上に抜けること。買いシグナルとされる |
| デッドクロス | ★★中級者 | 短期線が長期線を上から下に抜けること。売りシグナルとされる |
| サポートライン(下値支持線) | ★★中級者 | 株価が下がりにくいとされる価格帯 |
| レジスタンスライン(上値抵抗線) | ★★中級者 | 株価が上がりにくいとされる価格帯 |
| 出来高 | ★初心者 | ある期間に売買が成立した株数。多いほど注目度が高い |
| ボックス相場 | ★★中級者 | 一定の値幅の中を上下し続ける相場 |
4. 売買スタイル・手法
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 押し目買い | ★★中級者 | 上昇トレンド中の一時的な下落を狙って買うこと |
| ナンピン | ★★中級者 | 株価が下がったら追加で買い、平均取得単価を下げること |
| 損切り | ★初心者 | 損失が出ている状態で売って損失を確定させること |
| 利確(利益確定) | ★初心者 | 含み益が出ている状態で売って利益を確定させること |
| ガチホ | ★初心者 | 長期間、売らずに保有し続けること(スラング) |
| 分散投資 | ★初心者 | 複数の銘柄・資産に分けて投資すること |
| 一括投資 | ★初心者 | 一度にまとめて買うこと |
| 積立投資 | ★初心者 | 一定額を定期的に買い続けること |
| ドルコスト平均法 | ★★中級者 | 一定額を定期的に買うことで、購入価格を平準化する手法。積立投資の理論的な裏付け |
| 信用取引 | ★★★上級者 | 証券会社からお金や株を借りて行う取引。自己資金以上の売買ができるがリスクも大きい |
| 空売り(ショート) | ★★★上級者 | 株を借りて売り、値下がりしたところで買い戻して利益を得る手法 |
5. 相場全体の用語
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| トレンド | ★初心者 | 株価の上昇・下降の大きな流れ |
| 暴落 | ★初心者 | 株価が急激に大きく下落すること |
| リバウンド | ★★中級者 | 下落したあとの反発上昇 |
| 夏枯れ相場 | ★★中級者 | 7〜8月は市場参加者が減り出来高が細って下がりやすいとされる相場 |
| セル・イン・メイ(Sell in May) | ★★中級者 | 「5月に売れ」という米国由来の相場格言。夏場のパフォーマンス低下を警戒する経験則 |
| VIX指数(恐怖指数) | ★★★上級者 | 米国株式市場の変動率(ボラティリティ)を示す指数。数値が高いほど市場が不安定 |
6. 指数関連(★ここが元のリストで抜けていました)
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | ★初心者 | 東証プライム上場の代表的な225銘柄から算出される、日本で最も有名な株価指数 |
| TOPIX(東証株価指数) | ★★中級者 | 東証プライム全銘柄を対象にした時価総額ベースの指数。日経平均より市場全体の動きを表しやすい |
| S&P500 | ★初心者 | 米国の代表的企業500社で構成される株価指数。米国株投資の基準になることが多い |
| ナスダック指数 | ★★中級者 | 米国のハイテク企業が多く含まれる株価指数 |
| ダウ平均(NYダウ) | ★★中級者 | 米国の代表的な30銘柄で構成される歴史ある株価指数 |
| SOX指数(フィラデルフィア半導体指数) | ★★★上級者 | 米国の主要半導体関連企業で構成される指数。半導体・AI関連株の地合いを見る先行指標としてよく参照される |
| オール・カントリー(オルカン) | ★初心者 | 全世界の株式にまとめて投資するインデックスファンドの通称 |
7. 投資スタイル(★元のリストで抜けていました)
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| インデックス投資 | ★初心者 | 日経平均やS&P500など指数に連動する運用成績を目指す投資手法。個別銘柄を選ばず市場全体に投資する |
| インデックスファンド | ★初心者 | 指数に連動するよう設計された投資信託 |
| ETF(上場投資信託) | ★★中級者 | 株式のようにリアルタイムで売買できる、指数などに連動する金融商品 |
| バリュー株 | ★★中級者 | 企業の実力(利益や資産)に対して株価が割安に放置されている銘柄 |
| グロース株 | ★★中級者 | 売上・利益の成長性を評価され、割高でも買われやすい銘柄。テンバガー候補はここに多い |
| REIT(リート・不動産投資信託) | ★★中級者 | 複数の不動産に投資し、賃料収入などを分配する仕組みの金融商品 |
8. 成長株を見るときの用語
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| テンバガー | ★★中級者 | 株価が10倍になる銘柄(もとは野球のスラングから) |
| 成長率 | ★初心者 | 売上・利益が前年からどれだけ伸びたかの割合 |
| 市場シェア | ★初心者 | 業界内でその企業が占める割合 |
| 参入障壁 | ★★中級者 | 他社が同じ事業に参入しにくくする要因(技術・許認可・ブランドなど) |
| ニッチトップ | ★★中級者 | 規模の小さい特定市場で世界トップシェアを持つ企業 |
| ストック型ビジネス | ★★中級者 | サブスクなど、継続的に収益が入り続ける事業モデル |
防衛・ドローン・AI銘柄を調べる際によく出てきたジャンルです。
9. 決算で見るべき項目
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 売上高 | ★初心者 | 企業が商品・サービスを売って得た総額 |
| 営業利益 | ★初心者 | 本業の儲け(売上高から原価・販管費を引いたもの) |
| 経常利益 | ★★中級者 | 営業利益に本業以外の収支(利息など)を加減したもの |
| 純利益 | ★初心者 | すべての費用・税金を引いた最終的な利益 |
| 営業利益率 | ★★中級者 | 売上高に対する営業利益の割合。収益力の指標 |
| 受注残 | ★★中級者 | まだ売上に計上されていない、受注済みの案件の総額 |
| 受注高 | ★★中級者 | その期間に新たに受注した金額 |
| 通期予想 | ★初心者 | その年度全体の業績見通し |
| 上方修正 | ★初心者 | 会社が業績予想を上げること。株価にプラス材料になりやすい |
| 下方修正 | ★初心者 | 会社が業績予想を下げること。株価にマイナス材料になりやすい |
| 配当予想 | ★初心者 | 会社が発表するその期の配当見込み額 |
| 自社株買い | ★★中級者 | 会社が自社の株を市場から買い戻すこと。1株当たり利益の向上や株主還元につながる |
名村造船所やJMCなどを調べる際に確認していた項目です。
10. その他、実務でよく出会う用語
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 板(気配) | ★★中級者 | 売買注文の状況を価格ごとに一覧表示したもの |
| 気配値 | ★★中級者 | 板に表示される、売買が成立しそうな価格 |
| ストップ高・ストップ安 | ★★中級者 | 1日の値動きの上限・下限に達すること |
| IPO(新規株式公開) | ★★中級者 | 企業が証券取引所に初めて株式を上場すること |
| TOB(株式公開買付) | ★★★上級者 | 買収などの目的で、市場外で株式の買付を呼びかける制度 |
| 株式分割 | ★初心者 | 1株を複数株に分けること。株価が下がり買いやすくなる |
11. NISA関連
| 用語 | レベル | 意味 |
|---|---|---|
| 新NISA | ★初心者 | 2024年から始まった、運用益が非課税になる制度 |
| 成長投資枠 | ★初心者 | 新NISAのうち、個別株なども買える枠(年240万円) |
| つみたて投資枠 | ★初心者 | 新NISAのうち、積立投資向けの枠(年120万円) |
| 非課税保有限度額 | ★★中級者 | 新NISAで非課税運用できる生涯の上限額(合計1,800万円) |
| リバランス | ★★中級者 | 資産配分が崩れたときに、当初の比率に戻すよう売買調整すること |
12. 最近よく話題に出る投資テーマ
AI/防衛/ドローン/半導体/データセンター/LNG/造船/GX(グリーントランスフォーメーション)/宇宙/ロボット/電力インフラ/サイバーセキュリティ
これらは国策とも絡みやすく、長期テーマとして継続的にチェックしている分野です。
投資判断で重視してきたポイント(振り返りメモ)
これまでの会話を振り返ると、以下を優先して判断する傾向がありました。
- 将来性のある業界(AI・防衛・ドローン・造船など)に注目する
- PERが割高すぎないかを確認する
- 長期(5〜10年)で成長が期待できるかを見る
- 国策テーマに乗っているかを意識する
- 配当もある程度期待できるかを見る
- 夏枯れ相場など季節要因を考慮して買うタイミングを探る
- 一度に全額投資せず、分割して買う
- NISAはインデックスを中心に据えつつ、個別株で成長も狙う
この一覧は随時アップデートしていく前提の「自分専用投資辞典」です。
新しく出てきた用語や、実際に調べた銘柄のメモを追記していく形で育てていく予定です。