エクセル作業、正直言って面倒じゃないですか。
複数シートのコピペ、月末レポートのフォーマット直し、CSVを取り込んでグラフを作って上司にメール……。「自動化したいけどVBAはハードルが高い」と感じている40代の方は多いはずです。
我が家でもこの手の作業が積み重なって、気づけば週末の時間が溶けていました。そこで試してみたのが、コーディング支援ツール「Claude Code」を使ったエクセル資料作りです。この記事では、Claude Codeを使ったことがない人でも今日から真似できるレベルまで、実際の使い方をかみ砕いて紹介します。
Claude Codeそのものの基本操作については、以前まとめた実践ガイドも参考にしてください。
Claude CodeでExcel作業ができる仕組み
Claude Codeは、ターミナル(黒い画面)に日本語で話しかけるだけで、パソコン上のファイルを実際に読み書きしてくれるAIエージェントです。エクセル作業に関して言うと、Claude CodeはPythonの「openpyxl」というライブラリを使ったコードをその場で生成・実行できるため、次のようなことが日本語の指示だけで完結します。
- CSVファイルを読み込んで、体裁の整ったエクセルファイルとして出力する
- 見出しの太字・背景色・罫線・列幅などの書式を一括設定する
- 棒グラフや折れ線グラフを、指定した位置・サイズで挿入する
- 複数のシートに分けて集計し、サマリーシートを自動生成する
- フォーマットがバラバラな複数のエクセルから、必要な項目だけ抜き出して一覧化する
ポイントは「関数を覚える」のではなく「やりたいことをそのまま日本語で伝える」だけでいい、という点です。VLOOKUPの引数の順番やマクロの構文を暗記する必要がありません。
VBA(エクセルマクロ)との違い
「それってVBAでもできるのでは?」と思う方もいるはずです。実際、VBAでも自動化はできます。ただ、両者は得意分野が異なります。
| 比較項目 | VBA | Claude Code |
|---|---|---|
| プログラミング知識 | ある程度必要 | ほぼ不要(日本語で指示) |
| 作成にかかる時間 | 数時間〜数日 | 数分〜数十分 |
| 修正のしやすさ | コードを自分で読む必要あり | 「ここを直して」と話すだけ |
| エラー対応 | 自分でデバッグ | AIに聞きながら直せる |
| Excel以外への対応 | 苦手 | CSV・PDF・画像なども横断できる |
| コードの引き継ぎやすさ | 独特な構文で読みにくい | Pythonなので比較的読みやすい |
VBAを書ける人にとってはVBAの方が細かい制御をしやすい場面もあります。ただ「VBAは書けないけれど自動化はしたい」という人にとっては、Claude Codeの方が現実的な選択肢になりやすい、というのが実感です。
始める前に準備すること
Claude Codeのインストールや基本的な使い方(ターミナルの開き方、フォルダの移動など)は前回記事で解説済みなので、ここでは省略します。まだの方はそちらを先に読んでおくとスムーズです。
Excel作業で準備しておきたいのは次の2点だけです。
- 作業対象のファイルを一つのフォルダにまとめておく(例:
inputフォルダにCSVやエクセルを入れる) - 出力先のイメージを決めておく(どんなファイル名で、どこに保存したいか)
この2つが決まっていれば、あとはClaude Codeに日本語で伝えるだけです。
openpyxlは自分で用意しなくていい?
Claude Codeは、Excelファイルを操作するのにPythonの「openpyxl」というライブラリ(部品)を裏側で使っています。「じゃあ自分でインストールしないといけないの?」と思うかもしれませんが、基本的にはClaude Codeにお任せで大丈夫です。ただし、前提としてパソコンにPythonそのものが入っている必要があるので、ここだけ最初に確認しておきましょう。
1. Pythonが入っているか確認する
ターミナルで次のコマンドを打ちます。
python --version
バージョン番号(例:Python 3.12.1)が表示されれば準備完了です。「command not found」のようなエラーが出た場合は、Pythonが入っていません。
2. 入っていない場合は入れる
Python公式サイト(python.org)からインストーラーをダウンロードして実行すれば導入できます。ここもよく分からなければ、Claude Codeに次のように聞いてしまうのが早いです。
このパソコンにPythonが入っているか確認して、入っていなければ
インストール方法を教えて
3. openpyxlのインストールはClaude Codeにお任せでOK
Pythonさえ入っていれば、あとはエクセルの作成を指示するだけで、Claude Codeが必要に応じてpip install openpyxlのようなコマンドを自動で実行し、足りないライブラリを入れてくれます。自分で意識してインストール作業をする必要はありません。
4. 「実行してもいいですか?」と聞かれたら許可する
Claude Codeは安全のため、ファイルの書き込みやコマンドの実行の前に「この操作を実行してもよいですか?」と確認を挟む設計になっています。openpyxlのインストール時もこの確認が出ることがあるので、内容を見て問題なければ「はい」(Yes)と答えれば処理が進みます。勝手に何かをインストールされる心配はありません。
まとめると、事前に必要なのはPythonの導入だけで、openpyxl自体は都度Claude Codeが自動で用意してくれる、という認識でOKです。
パターン1:バラバラのCSVを1つのエクセルにまとめる
複数の口座や店舗のCSVを、毎回手作業で1つのファイルにまとめている方は多いのではないでしょうか。これは指示一つで解決します。
downloadsフォルダにある3つのCSVファイル(bank_a.csv、bank_b.csv、bank_c.csv)を
読み込んで、1つのExcelファイルにまとめて。
シートは口座ごとに分けて。合計シートも作って。
Claude Codeはこの指示だけで、CSVごとにシートを分け、合計シートに全体のサマリーを作り、ヘッダーの書式まで整えてくれます。一度スクリプトとして保存しておけば、翌月からはそれを実行するだけで同じ処理が再現できます。
パターン2:集計+グラフ付きレポートを自動生成する
月末に売上データからグラフを作り、フォーマットを整えて送る作業も、指示を具体的にするほど狙い通りの仕上がりになります。
input/sales-data.csv を読み込み、output/monthly-report.xlsx へ出力して。
- シート名は「売上実績」
- 1行目はヘッダー。太字、背景色は青系、文字色は白
- 金額列は3桁カンマ区切り
- 最終行に合計をSUM関数で追加
- 「サマリー」シートを作り、担当者別の売上を棒グラフで挿入
ここでのコツは、「きれいに」のような曖昧な指示ではなく、色・グラフの種類・配置場所まで具体的に伝えることです。「青色のヘッダー」「棒グラフをH2セルに」のように条件を並べるだけで、イメージ通りの資料に近づきます。
パターン3:フォーマットがバラバラな複数ファイルから必要な項目だけ抜き出す
取引先ごとにフォーマットが違う請求書エクセルから、金額と日付だけを一覧化する、といった作業も自動化できます。
invoicesフォルダにある全Excelファイルを読み込んで、
各ファイルから「請求日」「請求金額」「会社名」を探して一覧表にまとめて。
フォーマットが各社バラバラだけど、それらしい列を自動で見つけて。
合計金額も出して。
列名が「請求日」「日付」「Date」のように表記ゆれしていても、AIがそれらしい列を推測して処理してくれる点は、正直かなり助かります。
自動化をうまく回すための4つのコツ
- まず自分で1回手動でやってみる:手順を把握してから指示を出すと、Claude Codeへの説明も具体的になります。
- 入力ファイルと出力ファイルをはっきりさせる:「input.csvを読んで、output.xlsxとして保存して」のように、入口と出口を明確にすると迷いが減ります。
- 書式の指定はできるだけ具体的に:「きれいに」は曖昧、「ヘッダー青色・フォントサイズ12・罫線あり」は明確、という違いを意識します。
- スクリプトとして保存してもらう:「次回から同じ処理を実行できるようにPythonスクリプトとして保存して」と伝えておけば、翌月以降はワンクリックで再現できます。
使ってみて感じた注意点
いいことばかりではなく、運用する上で気をつけたい点もあります。
数値は必ず自分の目で確認する。 AIが作った集計結果でも、四捨五入のルールや空欄の扱いでズレが生じることがあります。抜き打ちで数個チェックする習慣をつけておくと安心です。
元ファイルは必ずバックアップする。 「修正して」と頼む場合は、「元ファイルは残したまま、新しいファイルとして保存して」と指示するのが安全です。
会社のデータを扱う場合は情報セキュリティのルールを確認する。 機密情報や個人情報は、処理前にダミーデータへ置き換えるのが基本の考え方です。
エクセル操作に使えるツールは複数ある。 ここではClaude Codeを軸に紹介しましたが、Excelの中で直接AIと対話できる公式アドインなど、用途によって使い分けられる選択肢も増えています。自分の作業スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
まとめ
- エクセル作業の自動化は、日本語で「これやって」と伝えるだけで実現できる
- CSV統合・グラフ付きレポート・複数ファイルからの抽出という3パターンだけでも、毎日の細かい作業がかなり減る
- VBAの知識は不要。Claude Codeがコードの生成から実行まで担ってくれる
- 一度作ったスクリプトは保存して繰り返し使える
- 数値チェックとバックアップは省略しない
「毎回同じことをエクセルでやっているな」と感じる作業があれば、まずは一つだけClaude Codeに任せてみてください。最初の一回さえ乗り越えれば、そのあとはぐっと楽になります。
※本記事の内容は2026年7月時点の情報をもとにしています。ツールの仕様や料金プランは変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。